「どうしました、アーチャー。ただ一点をじっと見て」
女は寝巻きに簡素にまとめた髪という出で立ちで男の前に出た。
「ああ、その、普段のメートルと雰囲気が違ってつい、な」
「まあ、あの普段着だからねぇ」
適当に男の言葉を流しながら女は寝床に行こうとした時だった。
「メートル」
先程の言葉とは違う低さが、女の耳に入る。
「どうしました、アーチャー」
途端、生暖かい感触が首筋に宿った。少しだけちくちくとした感触もある。
「……!」
温かい方を見やると、そこにはじっと彼女の首筋に口付けている男がいた。
「あ、あの」
男は顔をあげて女に呼吸するように云った。
「すまんな、あまりにも首からいい香りがしてな」
「あ、あぁ……」
やっと何が起きたか理解した女はただ男の言うことに頷くことしか出来なかった。
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