異常認識

 女の体からは、体の中にある赤い液体が漏れ出していた。男は少し憔悴した目でそれを見ていたが、当の本人はいたって平然とその様を見ていた。
「メートル! その傷は……」
「なに、ちょっと他のマスターとやりあっただけです。こうなることは想定済みですし」
 慣れた手つきでマスターはガーゼを傷口に当て、包帯を巻いた。
「ケガを怖がっては聖杯戦争すら参加できませんし」
「でもな……、あんたが死んだらオレは」
「その時は」
 他の愛する人を探せばいい。ただそれは何故か言えず、ただそれは言いたくもなく別の言葉を探すが、それを見つけることは出来なかった。
「……やっぱりいいや」
「ん、そうか。でも、体は大事にしろよ? 命あっての物種というからな」
「分かってる、アーチャー」
 包帯を巻き終わり、袖を降ろす。そして砲兵に一瞥して少女は倉庫に入った。

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