「―――あぁ」
女は工房で人形の調節をしながら思索に耽る。さっきあったセイバーとの戦いで見せたアーチャーの後ろ姿。
「あれは、まさしく……」
英雄のようだった。ぽつりと呟いたところではっと言葉を口に戻そうとすれどそれは叶わないことだとすぐに結論づけた。
「いやいやあのアーチャー、私の資料とはかなりかけ離れていすぎないか……いやでも彼が『偶像と名付けられた云々』とか言ってるし……」
ああ、と女は工具を机において頭を抱える。そしてすぐにまた工具を手に取り人形の調整に取り掛かる。
「こんな人のような、バグを私が起こすなんてばかげてる。どうしてアーチャーの事思い出すと止まらないのか……」
はぁ、と嘆息しカチャカチャと作業する。そしてそれは作業中で倒れるまで止まることはなかった。
※コメントは最大500文字、5回まで送信できます