陰から光へ

「……如何したのでしょうか、馬岱殿」
「そんなにかしこまらなくてもいいよ。……ああ、そっちじゃないよね。これから戦勝記念の宴があるんだけどさ、君も来ない?」
 ある陣地にて、白霜は男から宴の案内を受けたが、首を横に小さく振った。
「申し訳ありません。私には、そのような不相応な宴に出るなど……」
「不相応、じゃないよ。君は活躍したんだしさぁ、たまにはこういった場に出るのもいいと思う」
 女が見ると、血だらけの小さな手に男の人の大きな手が重なった。
「私なんかが、いいのですかね?」
「大丈夫、皆歓迎してくれるよ」
 霜は、俯いた顔を上げる。そこには、笑顔で頷く馬岱がいた。
「……こんなに穢れきった手でも?」
「さすがに本当に汚れているのはあれだけど……さ、いこうか! 君のこと、皆歓迎してくれるよ!」
 互いに手を握り、二人は喧騒の中へ飛び込んでいった。

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