「君の髪って、本当に綺麗だよねぇ」
骨ばった手で、男は女の髪を編む。長い髪が一本の三つ編みになっていく間、少しだけ重い沈黙を破ろうと、いつもの調子で男は切り出した。
「まるで墨のように黒くてさ、触ったらするするしてて……」
「ありがとうございます、馬岱殿」
「少し君が羨ましいよ。俺なんてくせっ毛でさ、帽子付けてないととんでもない事になるからねぇ」
「いえ、その、私は……」
「はーい、動いちゃ駄目よ。今君の髪の毛を整えてるんだから」
少しだけ振り向こうとした女を馬岱と呼ばれた男はどうどうと抑える。少しだけ赤らめた女は、しぶしぶじっとするしかなかった。
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