相澤長編

4-4 Danza Kurudo

「貴様――――!」 ずるりと直撃した雪玉が落ちると同時に閃光は鬼の形相へと顔を歪ませる。彼の怒号と同時に参加者たちは我先にと私の方に向かっていった。個性を発動するものもいれば、隠し武器を隠さずに持つものもいる。 集団が寄ってたかる惨劇のど真…

4-3 ゲキジョウ

 手の先が凍てつく。目を逸らしたくなるが「そらすな」と脳が警鐘を鳴らす。「それにしても久しぶりですねぇ、さん。まさか雄英卒業してヒーローしてるなんて思いもしなかったよ」 寺田が履いているヒールの乾いた音が近づいて来る。さながらモーゼのように…

4-2 スポットライト

 ドアの向こう側は、完全なる別世界への扉だった。 気後れするくらいに光輝いていて、それでいて誰かが誰かと話していている。ただここが敵のホームグラウンドである以上物騒な話をしていることは容易に想像がついた。 人工のきらめきから参加者たちに目を…

4-1 Narco

 スマートフォンに流れてきた情報の濁流から一つ拾い上げる。源泉は「週刊ニーナ」 拾い上げた人の数はどうやら多いようで何が書いてあるのやらとひとまず目を通すことにしてみた。 そこに書かれていたのは以前私とイレイザー先輩が捕縛した敵の背景につい…

3-6 Starmarker is believer

「――あら、お似合いじゃない!」「ほら二人とも前を向けよぉ! んでもって背筋をぴーーんと伸ばせ!」 服の合わせが終わったあとは、正直いって疲弊しかなかった。 潜入するときの服合わせは写真で合成して並べればいい話であるが生で見た方がいい、とい…

3-5 Radio/Staytuned-Midnight 3

 イレイザーさんとマイクさんと合流し、先ほど会議したビルへと戻っていく。正直に言うとちょうどいいタイミングで助かった。こういうのに興味はあるかどうかを聞いてくるミッドナイトさんの質問攻めへの対応が追いつかなくなってきたころだったからである。…

3-4 Radio/Staytuned midnight-2

 いつもと違う服を選ぶ。普段着る服が定まっている俺にとってはヒーロー活動より重労働で出来ればパスしたいものであるが今回はそうもいかないようでこうして香山先輩と山田に押される形で潜入用の服装そうびを選定して購入する羽目になった。潜入捜査で同行…

3-3 Radio/Stay-tuned Midnight-1

「ねぇ……ちゃんって呼んでもいいかしら?」「は、はい。大丈夫です」「ありがとう、。それでだけど――あなた、好きな服とかものってある?」 最初にそうミッドナイトさんに問われて素直に青色、といったのはいいものの――必要であるとはいえ本当に私が着…

3-2 in front of underground

「失礼しまーす……」  呼び出された建物の一室につながるドアを静かに開ける。その先にいたのは、警察の人と三人のヒーローだった。 礼儀正しそうな警察の人に鳥類を思わせるような金髪サングラスヘッドホン男にグラマラスなミストレス。そして――思った…

3-1 gaze the sky, repeat the memory

 朧月を見上げ、なんとなく手を伸ばす。 それで雲をつかめるはずはなく、ましてや季節外れの雪をそのまま保存できるわけがないことはわかっている。そうしたいから、そうしているだけだ。彼女 がゴーグルをつけていた故に彼朧が脳裏をよぎったわけではない…

2-3 You are my NO.1

 腕を大きく振りかぶる。それと同時に手から野球ボールくらいの大きさの固い雪玉を作り出す。 白い男は変わらずに自分で作り出した指の中の世界に夢中になっている。まるで自分自身がこの世の神であるかのように。その証拠に彼が指画面越しで見ていると思わ…

2-2 few yeas later

「おめでとう、君。まさか君が雄英に受かるなんてね。しかもヒーロー科ときた」 ――はい、先生方のおかげです。ありがとうございました。「いいの? ちゃん。ヒーロー目指すってことは……貴方にちょっかいかけてた人たちを助けることになるかもしれないの…