アルカンシエル
カルデアが、まだ南極にあった頃。は医務室に行った。左腕の傷跡からは赤い液体が流れ続けている。ドクターと呼ばれていた男はてきばきと彼女にガーゼと包帯を当てて治療を施した。「……どうしてこんなことをしたんだい」「云いたくありません」「云ってし…
メーデー212
マル
「……もうすぐ夜明けか」 陰と陽の境界にて、両儀式はぽつりと呟きながらカルデアの廊下を闊歩する。時刻は午前四時。変わらずバーにて駄弁っているサーヴァントも、遅くまでゲームしているサーヴァントも今は静かになっている。ひどく静かな場所だと思いな…
メーデー212
フラム
「―――やっぱり、戻ってこないよなぁ」 が外に出てから三十分後。ナポレオンはマスターの部屋にて彼女が帰ってくるのを待っていた。お手洗いに行くと告げてから一向に戻ってくる気配はなく、先ほどのやりとりを振り返りあのまま彼女を放っておくのは危険だ…
メーデー212
ソレイユ
太陽は、嫌いです。 容赦ない位に眩しいし、その光が非常に鬱陶しいから。 隠したいところも全部照らして白日の下暴きたてるから。 全て正直に話すに越したことはないのだけど、明かしたところで嫌われるのならいっそ、ずっと暗いままでいたいのです。 …
メーデー212
メーデー
助けを発信する機能は失われました 失われる予兆はあったというのに抗えませんでした 抗う機能すらとうの昔に失われたのでしょう きっと私は全部壊れてガラクタ同然になったのでしょう それも当然不相応なバグを持ってしまったのですから さあ さっさ…
メーデー212
シッフル
何度目かの夜が明ける。今朝でやっと愛する人と寝具を共にした回数が両手から零れ落ちた。いつもなら目覚めたら愛する人が挨拶するのだが今日は違う。夜明けも間もないからか愛する人は未だにその端正な寝顔をさらしている。無論サーヴァントは睡眠を必要と…
メーデー212
プロメセ
一番確実な約束は、約束をしないことだと生前のオレは云ったらしい。確かに契約やらが不履行となって信頼が落ちるのであればしないにこしたことがないというのは理にかなっている。だが―――約束は守られるからこそ、約束だ。守られなければ、意味がない。…
メーデー212
ロマン
自分自身の生涯をロマン――仏国語で小説に例えた人がいるらしい。確かに小説という媒体に自分自身が何をしてきたかというのを自分自身で読み解くこともできるし、それに俯瞰視することもできる。自分自身で小説を書いたとしても別目線に落とし込まなければ…
メーデー212
ネージュ
がたんごとん、がたんごとん。画面の向こうで機関車が走る。 外は列車の走行音以外の音はなく、静寂に包まれている。 それと対照的に白い雪の中走る列車の中の子供たちは各々騒いでいる。 一種の境界はその車体。まるで封鎖するかのように、その車体は黒…
メーデー212
プリュイ
ずっとやってきた試し行為を、彼は許しはしないでしょう。せめて嫌われる前に、いいやとうの昔に嫌われているのかもしれませんが、私に人を好きになる資格なぞないのかもしれませんが、せめてこの気持ちだけは、告解させてください。◆◆◆「―――それにし…
メーデー212
マルダムール
頼れる人を目の前にしても頼ることのできないどうしようもない女の作り方・まず信頼できる人を作ります。そして女と親しくさせます。仲は信頼できるのなら友人でも恋人でも関係性は問いません。・次に、女を窮地に追い込みます。ここはいじめでもなんでも構…
メーデー212
レーヴ
思えば、彼と過ごした時間が夢だったのかもしれません。あさましい願望を彼がくみ取ってくれたのか、決してあり得ないような話が現実になったのですから。もし、許されるのであればもう少しだけ、溺れることを許してください。現実という手によって引き上げ…
メーデー212