ザヴウェーニェ・パーミチ

6-4

 ラジオが夜を告げると同時にライブラの人たちが帰ってきた。流石に時間が時間だったからかKKさんは直接家に帰ったらしくここに帰っては来なかった。帰ってきた人たちの中にはライブラでやるべきことを終えてから事務所をあとにする人もいた。私はスティー…

6-3

 その後、寝起きのことがなかったかのように平然と朝食を食べて何事もなかったかのようにライブラへと向かった。何事もなく、あいも変わらずの混乱模様。触手と銃撃に巻き込まれないように器用に立ち振舞ながらライブラが入っているビルへと無事到着した。手…

6-2

 朝を告げるアラームが鳴り響く。冷たい床の感触はなく、とてもふかふかの布団がそこにはあった。 横を向くとそこにはスティーブンさんが仕事をするときと同じような顔をして立っている。口元だけは笑っているが目元は違う。思い当たるフシは――きっと昨夜…

6-1

 ノートは夜を告げた。 ツクヨミは穢れを厭い、もてなしたものをころした。 ニュクスは災難の母となった。 ヨワリ・エエカトル――テスカトリポカは、生贄を求めた。 一年分の幸福は得られましたか? たくさんいい思い出は作れましたか? じゃあ、その…

5-5

 何事もなく彼の家にたどり着く。彼のもとに転がり込んでから暫く経つはずなのにまだ慣れそうにない。 綺麗に整頓されている部屋も、あたたかいお手伝いさんも、比較的やさしい家の主も。それらは誰かにとっての当たり前なのかもしれないが私にとってそのあ…

5-4

  天空の密室に二人きり。窓には宝石を散らしたような輝き。 そして――正面には、スティーブンさんがいる。 少し癖のある短い黒髪に左目の横に走る傷跡、グレーのスーツをまとった伊達男はいつもと変わらない柔和な笑みで窓の外を眺めている。朝と夜、い…

5-3

 ――ゲートを潜った先は、狂乱と絢爛に彩られた遊興空間だった。 様々な種族が一人だったりいろいろな生き物と一緒になって思い思いの遊具に乗っていたりメリー・ゴー・ラウンドではしゃいでいたり珍妙奇天烈な食べ物に舌鼓を打っているが彼と私はそうする…

5-2

 コニーアイランドへ向かう道中にあのようなおしゃれな店があるとは知らなかった。そもそも今まで服飾などに興味がなかったとはいえ巨大なブティックを見過ごすということはあるだろうか? 否、意識の範囲外においていただけかもしれない。様々な素材と色が…

5-1

 光は大嫌いです。 眩しすぎて何も見えなくなるから。 でも、見たくないものが多いのでどうか何も見えなくしてください。 つまり――眩んでしまうくらいに色とりどりの光をください。 第五章 絢爛逢引 浅い眠りから抜け出して天井を確かめる。高い天井…

境界式

「――は? アレを取り逃した?」「違う、なんかこう……アランとかいう男に奪われたといってんだっての!」「アラン? どんな男だ」「氷を蹴ったりとか、あと……スーツに黒髪、そして顔に傷跡がある男!」「――おい、お前、何てことしてくれたんだ!」 …

鏡界式

 まるで、テトリスのようだった。 コロブチカは流れておらず聞こえるのはいろんな人の叫び声と断末魔。この世とは思えない光景が今、目の前に広がっている。 それはあまりにも突然おこったもので、どこからか閃光とともに建物がブロックのように崩れて、あ…

教誨式

 空気が冷たいマンハッタンの街の夜を行く。いつも通りの日常で、待ちゆく人たちは各々の生活を謳歌しているようだ。地上の銀河と見間違えるほどの電飾に行きかう人たちの多さ。サラダボウルとはまさしくこのことなのだろうと思いつつ僕はこの街を歩いていた…